初恋してます。

藤原先生が60代を過ぎると気管支が更に弱るんだよと余談を加える。



そして、手に付いたチョークの粉をはたき終わった後、教科書を片手に机間巡視をしながら話をし始める。



ロケットの操縦の仕方の難しい話。



聞いていると、頭が痛くなってきた。



藤原先生が床をゆっくりと歩く音が少しずつ近づいたり、遠ざかったりしていく。



「実は黙っていて悪かったんだが……。突然のことだけれど５０分後に地球が爆発することをつい先程急に知らされてね。そして脱出する為のロケットが校庭に届いたばかりなんだけれど……。


しかし、ロケットに乗ることが出来るのは、私が今から引くクジで選ばれた一人だけだ」



「えっー？！」とクラス中がざわつく。



いきなりの急展開に頭の中が真っ白になった私。