初恋してます。
息が苦しくなるぐらい自分の鼓動が高鳴る。



これでも、私はずっと前から蓮くんのことが好きだったんだよ。



初めはね、ただの幼馴染として──。



蓮くんは、昔から、格好良くて、頼りがいがあって、優しくてさ……。



そして、ここ最近、自分のこの気持ちはそれだけじゃないということに気づき始めたんだ。



そう、幼馴染じゃなくて、一人の特別な男子として意識をし始めていることに……。



気づいたら、蓮くんのことで頭がいっぱいになって、ずっと蓮くんのことばかり考えるようになってしまって。



そして他のことが手につかなくて……、こんな私駄目だなあって思うのに、なかなかもとの私に戻れなくて、心が苦しくて。



私、完全に恋の病だ。



ただの“好き”じゃなくて、“大好き”なんだよね。



なんだろう、蓮くんと目が合うたびに、何かふつふつと湧き上がるこの暖かい気持ち。



例えるのならば、私の心の中が舞い上がる桜の花びらでいっぱいになっているような感じ。



そう、きっと、これは初恋だよね。



人が恋をする仕組みは、単純だ。



特にこんな私のように弱っている時こそ優しくされると人は恋に落ちやすい──。



恋に落ちる、その文字の通り、突然目の前に大きな落とし穴が現れてストンと体が吸い込まれるように落ちたような感じ。

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