初恋してます。
蓮くんの表情が何だか徐々に心配モードに変わってくる。



蓮くんがスプーンで一生懸命に運んでくれるものだから、私はペロッとバニラアイスクリームを一個すぐに完食をしてしまった。



ああ、熱が出ていて体は凄く辛いけれど、こんな幸せな時間を独り占めしていてもいいのだろうかと少し思えてきた。



「どおした?バニラアイスクリーム、食べすぎたか?やばっ、……もしかして気分が悪い?………んっ?!」



「ちがう、っ……ちがう!」と私は顔を横に振った。



今日蓮くんが家に来て声を聞いた瞬間から、私の胸がずっとドキドキしていて、止まらない。



布団を顔が見えなくなるぐらい深くかぶり「……寝る」と私は告げた。




本当は、“……寝る”じゃなくて「好き」と言いたいはずだった。



蓮くんの顔、これ以上真っ直ぐに見てられない。



もう、恥ずかしくて、やっぱり、無理。



私をこんな気持ちにさせたのは、蓮くんが本当に悪い。



蓮くん、悪者??



今、必死に私はこの気持ちに蓋をして鍵をしている。



収まれ、収まれ、おさまーれ!



私は何に怯えているんだろうか。



きっと、好きという気持ちが増大し歯止めが効かなくなることだろう。

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