初恋してます。
突然、急に蓮くんが勢いよく掛け布団をガバっとめくる。



「おいっ、顔を出せよ。ほらっ、体温計。体温、まだはかってないぞっ………」



もうやめて、やめてよ!



「……やだっ」



「お前、急に反抗期か?!」



「もぉ、いいから。……帰っていいよ」



「……えっ?!」



ウソだ、本当は蓮くんに側にいてほしい。



「せっかく、心配をして、俺来てやったのに……」



「………ん。ありがとう──」



「お前は、嫌かもしれないけれど。やっぱり、俺心配だから……。もう少し、いるわ」



「えっ、本当に?!」と私は布団から顔をガバッと出した。



「ったく、どっちなんだよ?俺にいて欲しくないのか、いて欲しいのか」



蓮くんが、少し呆れた表情でクスッと笑った。



「お願いです。私のそばにもう少し、いてください……」



「わかったから。ほらっ、早く、横になれっ──」



蓮くんが優しく布団をかけてくれた。



私は恥ずかしいから布団から目だけを出して、ずっと蓮くんを見てた。

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