初恋してます。
私がずっと聞きたかったけれど、聞けずにいたあの話──。
前に7月に私が風邪を引いて蓮くんに看病をしてもらったあの日、
私が聞きそびれたあの話をこの日は蓮くんの方から話をしてくれた。
毎年8月の決まった日に向日葵の花束を抱えていつも家族と一緒に出かけていたのは、
命日の8月8日は大切な妹のお墓参りの日だったからだと。
向日葵の花は、七実ちゃんが1番大好きな花だった。
今では想像がつかないけれど、蓮くんは妹を亡くしてから元気がなくなり東京へ引っ越してくるまでは家に引きこもりがちだったという話も私は聞いた。
「人にはなかなか話せないことを皆抱えながらきっと生きているんだよ。きっかけがなかったら、……俺だってそう。皆、話さないだけ──」
こんな私でも、少しでも蓮くんの力になれることはと考えたけれど。
蓮くんの笑顔が絶えないように、こんな風にそばにいることなのかなあと、その時私はふと思った。
お姉ちゃんは打ち上がる花火をずっと最後まで見上げていたけれど、蓮くんが静かに涙を流していたのを知っていたのだろうか──。
前に7月に私が風邪を引いて蓮くんに看病をしてもらったあの日、
私が聞きそびれたあの話をこの日は蓮くんの方から話をしてくれた。
毎年8月の決まった日に向日葵の花束を抱えていつも家族と一緒に出かけていたのは、
命日の8月8日は大切な妹のお墓参りの日だったからだと。
向日葵の花は、七実ちゃんが1番大好きな花だった。
今では想像がつかないけれど、蓮くんは妹を亡くしてから元気がなくなり東京へ引っ越してくるまでは家に引きこもりがちだったという話も私は聞いた。
「人にはなかなか話せないことを皆抱えながらきっと生きているんだよ。きっかけがなかったら、……俺だってそう。皆、話さないだけ──」
こんな私でも、少しでも蓮くんの力になれることはと考えたけれど。
蓮くんの笑顔が絶えないように、こんな風にそばにいることなのかなあと、その時私はふと思った。
お姉ちゃんは打ち上がる花火をずっと最後まで見上げていたけれど、蓮くんが静かに涙を流していたのを知っていたのだろうか──。