初恋してます。
どうやら２人の会話を聞いていると穏やかな雰囲気ではなさそうだ。



向かい合って、何か言い争っている様子。



どうしたの、蓮くんとお姉ちゃん？



蓮くんから何か話を聞いて驚きが隠せない表情のお姉ちゃんが今にも泣き出しそうな顔をしている。



「嘘、………どういうことなの！」



必死な表情の蓮くん。



「おい、落ち着けよ。だから、あくまでも、……まだ、はっきりと決まったわけじゃない！」



「私、今から行って確かめてくる！」



「おいっ、確かめるって、………何を？！」



「直接、真実を確かめたいの。いけないことなの？」



「待てよ！落ち着けって。優衣は、今少し感情的になっている。だから、今はちょっとやめた方が良いと俺は思う」



「どうしようと、私の自由でしょ？」



「俺達は、もうすぐこの学校を卒業する。その後でも、遅くないんじゃないか」



「いやよ、私は……。今じゃなきゃ！」



「今まで、優衣は何のためにずっと我慢をしてきたんだよ。向こうだって、まだ迷っている様子なんだ……」



「私には、守りたいものがあったから。だから、……今まで、ずっと私は我慢をしてきたの！……私の為に、迷ってるって、どういうことなの………」



立ち去ろうとしたお姉ちゃんの左腕を蓮くんがガシッとしっかりと掴んだ。



「ダメだ！やめとけって！あとから、必ず……、優衣、後悔するかもしれないぞ──」

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