初恋してます。
はぁっー、やっぱり、そうなっちゃったか。



なんとなく、予想できていたけれど。



……あーあ、残念。



心の中、急に天候が変わり激しい大雨が降り出して悪天候の様子だ。



彼女候補、私じゃ駄目ってことか……?



私が年下だからかな?



何が、いけないの?



蓮くんがまたレシートを見ながら「永久に不可能って──」とクスクスと笑い始め、

そしてそのレシートを綺麗に半分に折ったあとズボンのポケットに奥深くしまった。



えっ?!、笑う所はそこなの。




それで、しかも……私が書いたレシートを持って帰っちゃうんだ。



『お前、またふざけたことを書いて!』っていつもみたいに付き返してくれても良かったのに……。



蓮くん、どうして、持って帰ってしまおうとするんだろう。



その私が書いたレシート、本当につまらない紙きれだよ。



この先プレミアムが付く物でもないし。



蓮くん、……おかしい。



クシャクシャに丸めてポイっとゴミ箱に捨てたって良いぐらいの物なのに。



持ち帰るだなんて、やめてほしい。



蓮くんが私のことをどう思っているのか少し知りたくて、ただ試してみたかっただけなの。



ただ……、それだけなんだよ。




考えると、自分のしたことが急に子供じみていて、そして凄く恥ずかしく思えてきた。



「そのレシート、やっぱり私に返して!」と困った顔をしながら両手をバンっと差し出して蓮くんにねだった。



「嫌だね!」と眉をひそめて少し意地悪な顔を近づける蓮くん。



「ねぇ、返してってば!」

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