初恋してます。
そんな先生とお姉ちゃんの馴れ初めが大変気になるところだが。
──後日、お姉ちゃんから詳しく話を聞いてわかったこと。
高校1年生の夏頃から密かに松下先生との交際が始まり、
そして『俺と付き合って欲しい』と交際を申し込んできたのは松下先生の方からだったと。
そのことをクラスが一緒だった蓮くんにある日バレてしまい、妹の彩歌だけには絶対に秘密にして欲しいと蓮くんに頼み込んだそうだ。
だから、蓮くんは高校1年生の頃からずっと二人の交際を知っていたことになる。
私、お姉ちゃん、蓮くんの3人でいる時にお姉ちゃんがじっと蓮くんの目をやたらと見ていたのは、
自分と松下先生の交際は口が裂けても妹には絶対に言わないでねと目で合図を送っていたらしい。
そして、それに返事をするように無言で蓮くんもお姉ちゃんの目をじっと見ていたんだと。
2人の熱い視線はそういう意味があったのかと初めて理解ができた。
私は完全に誤解をしていた。
──そして、卒業式の2週間前のあの出来事の話だ。
2月19日、ちょうど卒業式の2週間前。
お姉ちゃんは渡り廊下で蓮くんから驚くような話を耳にしたのだった。
「さっき、職員室の前の廊下を通り過ぎた時、松下先生が転勤をするっていう話を耳にした。まだはっきりしていないけれど、転勤先はフランスらしい……。でも、転勤の話は無しになるかもしれない……」
「……どうして?」
「大切な人を残して行くわけにはいかないって……」
「嘘、………どういうことなの!」
そして、蓮くんとの話がひとしきり終わった後、お姉ちゃんが走って向かった先は美術部の部室だった。
──後日、お姉ちゃんから詳しく話を聞いてわかったこと。
高校1年生の夏頃から密かに松下先生との交際が始まり、
そして『俺と付き合って欲しい』と交際を申し込んできたのは松下先生の方からだったと。
そのことをクラスが一緒だった蓮くんにある日バレてしまい、妹の彩歌だけには絶対に秘密にして欲しいと蓮くんに頼み込んだそうだ。
だから、蓮くんは高校1年生の頃からずっと二人の交際を知っていたことになる。
私、お姉ちゃん、蓮くんの3人でいる時にお姉ちゃんがじっと蓮くんの目をやたらと見ていたのは、
自分と松下先生の交際は口が裂けても妹には絶対に言わないでねと目で合図を送っていたらしい。
そして、それに返事をするように無言で蓮くんもお姉ちゃんの目をじっと見ていたんだと。
2人の熱い視線はそういう意味があったのかと初めて理解ができた。
私は完全に誤解をしていた。
──そして、卒業式の2週間前のあの出来事の話だ。
2月19日、ちょうど卒業式の2週間前。
お姉ちゃんは渡り廊下で蓮くんから驚くような話を耳にしたのだった。
「さっき、職員室の前の廊下を通り過ぎた時、松下先生が転勤をするっていう話を耳にした。まだはっきりしていないけれど、転勤先はフランスらしい……。でも、転勤の話は無しになるかもしれない……」
「……どうして?」
「大切な人を残して行くわけにはいかないって……」
「嘘、………どういうことなの!」
そして、蓮くんとの話がひとしきり終わった後、お姉ちゃんが走って向かった先は美術部の部室だった。