初恋してます。
松下先生は普段から頻繁にフランスにずっと憧れているんだという話をお姉ちゃんにしていた。
そして、お姉ちゃんは自分の為に念願のフランスの転勤を断念させるなんてそんな残酷なことを松下先生にさせるのは絶対に嫌だと思い、
人生で初めての大きな嘘を付くことに。
がらんとした誰もいない美術部の部室でお姉ちゃんと松下先生はどうやら一悶着があったようだった。
口火を切ったのはお姉ちゃんの方だった。
「私達は約3年間、堂々と極普通のカップルのように手を繋ぐことも、キスをすることも…できなかった。
のに、いきなりフランスに転勤って酷い話。私、もう耐えられないよ」
「お互い、教師と生徒だし。卒業をするまでは公にしてはいけないと俺は思ったんだ、お互いの為にも。フランスの転勤の話も、つい最近のことで、本当に急だったんだ……。
俺は石田と一緒にずっといたいと思っている。だから、安心して、俺は日本にいるつもりだから」
「“一緒にずっといたいと思ってる”だなんて、そんな口先だけの軽い言葉を私が簡単に信じるとでも……。先生、何、言ってるの?いつも、優しすぎるんだよ……。
いくらなんでも、私が好きな人、ずっと松下先生だけだと信じていたわけ?」
「えっ……?!どういうこと。石田、──。いきなり、……どうしたんだ?」
「先生、ごめんね。ちょーうど、良かった。私、好きな人がいるんだよね。って、言うより前からいてたんだけどね。あの噂、本当だから──」
そして、お姉ちゃんは自分の為に念願のフランスの転勤を断念させるなんてそんな残酷なことを松下先生にさせるのは絶対に嫌だと思い、
人生で初めての大きな嘘を付くことに。
がらんとした誰もいない美術部の部室でお姉ちゃんと松下先生はどうやら一悶着があったようだった。
口火を切ったのはお姉ちゃんの方だった。
「私達は約3年間、堂々と極普通のカップルのように手を繋ぐことも、キスをすることも…できなかった。
のに、いきなりフランスに転勤って酷い話。私、もう耐えられないよ」
「お互い、教師と生徒だし。卒業をするまでは公にしてはいけないと俺は思ったんだ、お互いの為にも。フランスの転勤の話も、つい最近のことで、本当に急だったんだ……。
俺は石田と一緒にずっといたいと思っている。だから、安心して、俺は日本にいるつもりだから」
「“一緒にずっといたいと思ってる”だなんて、そんな口先だけの軽い言葉を私が簡単に信じるとでも……。先生、何、言ってるの?いつも、優しすぎるんだよ……。
いくらなんでも、私が好きな人、ずっと松下先生だけだと信じていたわけ?」
「えっ……?!どういうこと。石田、──。いきなり、……どうしたんだ?」
「先生、ごめんね。ちょーうど、良かった。私、好きな人がいるんだよね。って、言うより前からいてたんだけどね。あの噂、本当だから──」