Get over it.
痛む身体を引きずりながら辿り着いたのは、いつもの図書室だった。

緑色の引き戸を開け椅子に座ると、低いハスキーボイス

「随分と派手にやられたね。」

「龍生も知ってるの?」

「動画のこと?」

「うん」

「上手く撮れてたね。」

「そうだね。でも、私じゃない。」

「あぁ、玲はそんな事する奴じゃないって分かってる。
 誰かに嵌められたのかもな」

え!?そんな私を嵌めるようなことをしてどうしたいの?

私にはそこまでする理由が分からなかった。


「こんな手の込んだ動画まで撮って、何がしたいのかな?」

「それは、そいつじゃないと分からない。
 でも、多分ガーディアン絡みだという事だけは確かだな。
 もし、何かあったら俺に言って。」

「助けてくれるの?」

「あぁ、必ず」


私の頭をポンポンと優しく撫でながら、目線を合わせて優しく微笑む龍生

らしくないと思いながらも、涙が頬を濡らす

「分かった・・・ありがとう。」



私は、そのまま気を失ったらしい、気がつくと保健室のベットで寝ていた。

龍生が運んでくれたのだろうか?

養護の先生がタクシーを呼び、その日はなんとか家に帰った。



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