Get over it.

春日井 響

春日井 響said

俺は春日井組組長の息子で物心ついた頃には護衛や側近やら厳つい男
に囲まれて育った。

小学校の高学年になる頃には、自分の容姿や背景で女が寄ってきた。

自分が女嫌いになるのは自然な流れだったと思う。

女嫌いながらも、男の欲はあるもので後腐れのない女を用意して
過ごしていた。

俺が高校生になった時、親父が繁華街の見回りも兼ねてチームでも
作らないかと提案があり、『ガーディアン』というチームを作った。

メンバーには、いつも俺とつるんでいた仲間達。

気がつくと俺の周りには、多くの仲間ができていて、ガーディアンも
この一帯では知らないものがいないくらい、最強の強さと人気を誇る
ものとなっていた。


俺達ガーディアンには、繁華街の治安維持の役割がある。

いつもの様に見回りをしていると、男と女の言い争う声が聞こえた。

向かうと女が殴られている!急いで助けに入る。

ケガをした女は、眼鏡に黒髪の地味な女だった。

俺の事を知らないのか、俺の顔を見ても何も反応しない。

そんな女に興味がわき、ガーディアンに連れて行った。

さっさと帰ろうとする女、目が暗く沈んでいるのが見て取れた。

こいつが笑う顔をみたいと思った。だからかな・・・

「お前、ひとりだろ。だったらここに顔を出せ。仲間になればいい」

そう言っていたんだ。



玲は少しずつ打ち解けていった。

笑顔も見せるようになって、俺もそんな玲の様子に嬉しくなっていた。

不器用だが、裏表のない玲に皆が大事な仲間として認めていた。

俺は・・・仲間以上のものを感じ始めていた・・・。


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