Get over it.
客間で織田さんの説明が始まった。

先程までの押しつぶされおうな空気は何だったのかと思う程の
和やかな空気が流れている。

「先ず玲さんは私の娘になってもらいます。」

「エッ!!む、娘ですか!」
飲んでいたお茶を吹き出しそうになりながらも声を発する。

「はい、玲さんと龍生様が結婚するにしても、まだ龍生様は17歳です。
 法律上無理ですので、一先ず私の娘となって頂きます。
 龍生様が18になったところで、入籍する予定です。
 幸い玲さんは勘当されていますので、明日にでも早坂家に出向き養子縁組の
 手続きをしようと思っています。
 私の娘となることで、この世界のものも下手な手出しができなくなりますし
 丁度いいと思いまして。」

強面の織田さんが嬉しそうに言うから、私も素直に従うことにした。

「お父さん、よろしくお願いいます。」

「あぁ、今日からは玲と呼ぶからな。躾も厳しいからな覚悟しろよ。」

「はい、頑張ります。」

そう応えた私の頭を龍生がポンポンと撫でた。


私の新しい生活が始まる。


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