Get over it.
走り出す車の中には、俺と朝陽、律の3人が乗っている。

前の車には、組長である親父と側近である朝陽の親父ともう一人の
側近、前後を組員の乗る車が護衛する。

車が向かう先は、大神組本家だ。

高速を使い辿りついた場所は有名な繁華街から程近い、大きな日本家屋

門を潜り中に入ると、厳つい男達の鋭い視線が突き刺さる。

生まれた時からこの世界にいる俺でさえ、その威圧感に圧倒される。

これが、竜神会トップなのか。


親父の後に続き長い廊下を進む。

通されたのは広い座敷。

座布団に座り一息ついたところで、襖が開き恐ろしい程の存在感漂わせた
大神組長と同じような雰囲気を持った男、おそらくこれが若頭だろう男と
数人が座敷の中に入ってきた。

これがトップに立つ男なのかと納得する。

そして、後ろに座る若頭の俺に向ける射すくめる程の冷たい視線・・・。

会うのは初めてのはずだが・・・

何故、そこまでの敵意をむけられるのか?

思い当たるふしもなく、俺は困惑していた。


これから知る事実に、俺は自分の甘さとこの世界の厳しさを知る事になる。


そして、一生手に入らない愛しい存在も・・・・。




春日井響said end

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