Get over it.
そんな3人に俺は冷ややかな目を向けつつ話す。

「お前達は、この馬鹿女が店から逃げたのを知らなかったのか?
 こいつは、半年前に店から逃げて、あろうことか荒巻組の若頭の
 女になってたんだ。
 そして、組員を使って俺の嫁を海外に売り飛ばす計画を立てた。
 まあ、そんな計画は直ぐに潰したがな。
 頼みの荒巻組ももう無くなったし、後はこいつを処分するだけだ。」

ここまで話したところで奴らの顔を見れば、自分たちの落ち度に
気がついたのか悔しさを顔に滲ませていた。

「この女の処分は俺達がしてもいいが、お前達に名誉挽回の機会を
 与えようかと思ってな。
 さあ、どうする?」

春日井響は俺の問いかけにハッとしたように顔を上げると、先程とは
違いしっかりと俺に目線を合わせると

「この女の処分は、家の春日井組できっちりとさせて頂きます。
 ご配慮ありがとうございます。」

「あぁ、ではこの女の処分は任せる。
 そして、二度と陽の目を見せることのないようにしてくれ。」

「はい」

「じゃあ、上に戻って茶でも飲もう。
 お前達に合わせたい人がいる。」

「はい」

そして、俺達は薄暗い階段を上って行った。


龍生said end




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