雪の降る日
仲の良い二人を前にして、春花は苦笑を浮かべる。

窓の外では変わらず雪が降り続けている。ゆっくり舞い落ちる、牡丹雪。

きっと積もるだろう。明日には、グラウンドやアスファルトが白銀の絨毯で覆われているに違いない。

「──春花、行くんなら早く行け」

梨々奈の片頬をつまみ上げながら、誉が促してくれた。

「あっ、ありがとう、誉ちゃん。りりちゃん、また今度ね」

「今度って! 二月になったんだから毎日雪じゃんか!」

「えっと……あはは」

笑って誤魔化して、春花はぱたぱたと教室を抜け出す。
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