君という名の広い空
最後のチャイムが鳴ると、鞄だけを持って急いで帰った。
家に着くと靴を脱ぎ捨てて階段を駆け登ってしまった。
ただいま も言わずに。
「優ー?ご飯できてるわよぉ!」
『いっ…いらないっ』
「そう?」
ベッドに飛び乗った。
やばっ…。
涙が─────…
ダメだよっ…。
分かってる………のに。
止まらない───…
『グスッ…ヒック……ぅう……。』
なんであたしはこんなめに遭わなきゃいけないの?
春哉が好きなだけなのに…。
春哉だって………。
小さい頃からずっとクラスの中でも目立ってて…友達も多かったし…。
女子ともよく話してたし…。
たまにそんな光景にヤキモチもやいたけど…。
今はそんなんじゃない────…
本当に嫌なんだっ…。
礼奈ちゃんとは絶対に付き合ってほしくなかった───…
だって…礼奈ちゃんって…顔だけで選ぶって有名だよっ!?
────はっ……
今のあたし最低だ───…
そんなのただの噂なのに………。