君という名の広い空
もう9月だとはいえ、まだまだ暑いこの季節。
体育祭の季節になるにつれ、あたしと春哉の距離は確実に狭くなっていった。
あたしにとってはすごくいい事で毎日何を話そうか迷うくらいだった。
チャイムが鳴った。
次は移動教室だから、用意をして奈美と皐月と3人で階段を降りた。
「でさ〜」
「あ〜分かる!」
皐月と奈美が話していて、あたしはふと、耳に入ってきた内容に驚かされた。
それは、あたしのテニス部の先輩の声だった。
「春哉くん超かっこいいよねぇ!なんていうかぁ、かっこいいし、それでいて可愛い…みたいなぁ!あたしついにファンクラブ入っちゃったよぉ〜」
「あたしも入ろうっ」
春哉…って?
1年の────…?
春哉が結構モテてるのは知ってたつもりだった。
でも…。
先輩にまで…。
ていうかっ…
ファンクラブ…?
…そんなのあったんだ。
「優?どうしたの?」
「なんか考え事?」
『あっ!ごめん。』
それから、授業は終わり部活に行った。