君という名の広い空


あたしが何回聞いても、春哉は教えてくれなかった。

『なんで!?いいじゃ〜ん。信用して!』
「無理ぃ〜優口軽そうだし!」

軽くねぇよ!

春哉は、優也にも自分の好きな人を言ってないらしい。

あたしには当たり前に教えてくれない。

不安じゃん…。

何組かくらい教えてくれたって…。

「よなぁ〜。あいつさぁ、昨日まで山口と付き合ってたのに、今日になったら、真田になってんの!」
    ..
「まぢで結那軽すぎ!」

ゆうな…?
あぁ…
春哉結那の事知ってるんだ。
結那は、友達だけどあまり好まない。
理由は軽いから。
今日は、結那から真田に告白して付き合い始めたらしい。
昨日までは、山口っていう人と付き合ってた。
両方おかしいんだよね。
結那も、相手も。

まぁ、あたしは口出ししないけどね。


確かにこの時、春哉は結那の事を軽いといった。


確かに。


あたしはちゃんと聞いていたよ?



なのに────…



なんであんな事になっちゃったの?


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