君という名の広い空
好き。
次の日から、またいつも通りの日常に戻った。
違うところといえば、周りにカップルが増えた事。
皐月と智樹先輩は毎日お弁当の時間になれば、二人で消えていった。
奈美と颯馬は、一週間に一回は絶対デート。
奈美がそうしたいらしい。
その他にも、カップルは増えた。
みんなあたしを置いて…。
『はぁ…。 みんなラブラブして! 真冬なのに教室が温かいってほんと…。』
頬杖をつきながら言うあたしの斜め前で、優也があたしの真似をして言った。
「ほんと、ほんと。俺ら恋人いない仲間だってほんと。」
…そんな仲間いらねぇよ!
って心の中でツッコんだ。
『まぁ、いいけどね。』
でも、あたしは周りに置いていかれても、恋人いない仲間が増えても…気分がいいのは変わらない。
理由は二つ。
一つは、昨日の事。
春哉があたしのチョコを美味しいって言ってくれたから。
もう一つは、さっきの席替え。春哉と離れるのが嫌で、泣きそうになったけど、また隣の席になったんだ。
そして、前と同じで優也はあたしの斜め前。そして、あたしの前は奈美になった。奈美は、颯馬と離れちゃったけど、付き合えたから嬉しいって言ってた。
一年で最後の席替えで春哉の隣になれて嬉しかった。