君という名の広い空
あたしは、久し振りにラジオを聞きながら、ベッドにもたれていた。
《HEART STATIONー!!》
久し振り…。
あたしが、このラジオ番組を懐かしく思っていると、聞き覚えのあるあの名前。
《今日は、恋愛相談中心にいきますよー!?さーてっ…野球LOVEさん!》
…何だったんだろう。
今日、優也に対して生まれた感情は。
前とは違う──…
《なになに…“僕はこの前、違うクラスの女の子に、私と付き合わないと、僕の好きな人がどうなるか分からない、って言われました。”》
…もしかして。
あたし、優也が
好き?
…っな訳ないか!
あたしは、自分を否定するように首を何回も振った。
違う!
ぜっっったい違うんだから!!
『あたしが優也を好き? ないないないないっ』
だって、あたしが好きなのは春哉だし。
それは、小学生の頃からで…春哉が好きな気持ちだけは誰にも負けない、って思ってたのに…。
ちょっと気持ちが揺らいじゃった?
《“僕は、そうなるのが嫌で、その子と付き合う事にしました。》