クローバー~約束~
君に想いを告げて
和希は練馬駅の改札で、覚悟を決めて待っていた。しばらくして、美穂が到着した。
「ごめん、遅くなっちゃって」
「そんなことないよ。家に行こう」
和希のアパートまでは、2人ともしばらく何も口にしなかった。美穂は、不安だった。和希はアパートでどんな話をするつもりだろう?もしかして、「もう会わないことにしよう」とか?そんなの嫌だ。そう思うと、足取りが重くなった。
「ごめん、歩くの早すぎた?」
「ううん、あたしが遅くてごめん」
和希は、美穂の手を取った。
「ゆっくり、歩こうな」
和希の手は温かくて、なんだかホッとした。ぎゅっ。美穂は和希の手を握りしめる。
「ここの2階の一番左端の部屋だよ」
階段を上って、「201」と書いたドアを開錠する和希。
「あの・・・ごめんなさい、なにもお土産もなくて」
「今日は、話しに来たんだから、そんなものはいらないよ。どうぞ」
和希は美穂を招き入れる。結構、整然とした部屋だ。パタン、とドアが閉まると、
「美穂、好きだ」
ふいにささやいて、ぎゅっと美穂を抱きしめる和希。
「坂上店長は・・・?」
そう美穂が聞くと、和希は抱きしめる力を弱めて。
「彼女は、僕の中では『過去』だ。でも、人間的にはとても尊敬できる人だから、すごく久しぶりに連絡があって店員を募集している、と聞いて、君のことを紹介しようと思った」
美穂は、するり、と和希の腕の中からすり抜けて。
「坂上店長は、『過去』だとは思っていないと思う。カズキくんと、なんとかつながっていようと思ったんだと思う。そこに『彼女候補』を紹介するなんて、デリカシーに欠けてると思うよ」
「でも、彼女の方から、離れて行ったんだよ。会おう、って言っても会ってくれなくて、会っても、哀しそうな顔ばかりして、そうしているうちに彼女が新しい男を作った。それが2年ちょっと前。それから、音沙汰なかったのに、どうして」
「もしかして、だけど、彼とうまくいっていないんじゃないかな?」
「それで、僕とやりなおしたい、っていうのは自分勝手すぎないか?」
和希の言うことには、一理ある。でも、あの坂上店長の涙は、純粋なものだと思う。
「やりなおしたい、っていうんじゃないと思うよ。見つめていたい、どんな形でも、関係していたい、って切ない女心だと思う」
「もしそうなら・・・美穂は、僕とつきあうのをやめるのか?店長に遠慮して?」
美穂は、自分の心に聞いてみた。自分はどうしたい?和希のことをどう思ってる?
「私は、そんなの嫌。カズキくんが好き」
ふわり・・・やわらかく美穂は和希に抱きついた。和希は、美穂の気持ちを受け止めてぎゅっときつく抱きしめた。
「2人の気持ちが一番大切だよ」
「カズキくん・・・」
色んな気持ちがごっちゃになって、涙がひとすじ、美穂の頬を流れた。
「もう、泣かせたりしない」
と和希が言うと、美穂の涙にKissをしてから2人は熱いKissを交わした・・・と思ったら、
「ぐるる~っ」
と和希のお腹の虫が鳴いた。
「あはは・・・ロマンチックじゃないなぁ、もうっ!ご飯、食べに行こうか?」
美穂は笑いが止まらなかった。あぁ、よかった。安堵の笑いも入っていたと思う。
「そうだな。駅前の居酒屋でいい?」
「うん」
ストップがかかってよかった。いくら何でも早すぎるよな?奥にあるベッドを横目でちらっと見て和希はこっそり思ったのだった。
「ごめん、遅くなっちゃって」
「そんなことないよ。家に行こう」
和希のアパートまでは、2人ともしばらく何も口にしなかった。美穂は、不安だった。和希はアパートでどんな話をするつもりだろう?もしかして、「もう会わないことにしよう」とか?そんなの嫌だ。そう思うと、足取りが重くなった。
「ごめん、歩くの早すぎた?」
「ううん、あたしが遅くてごめん」
和希は、美穂の手を取った。
「ゆっくり、歩こうな」
和希の手は温かくて、なんだかホッとした。ぎゅっ。美穂は和希の手を握りしめる。
「ここの2階の一番左端の部屋だよ」
階段を上って、「201」と書いたドアを開錠する和希。
「あの・・・ごめんなさい、なにもお土産もなくて」
「今日は、話しに来たんだから、そんなものはいらないよ。どうぞ」
和希は美穂を招き入れる。結構、整然とした部屋だ。パタン、とドアが閉まると、
「美穂、好きだ」
ふいにささやいて、ぎゅっと美穂を抱きしめる和希。
「坂上店長は・・・?」
そう美穂が聞くと、和希は抱きしめる力を弱めて。
「彼女は、僕の中では『過去』だ。でも、人間的にはとても尊敬できる人だから、すごく久しぶりに連絡があって店員を募集している、と聞いて、君のことを紹介しようと思った」
美穂は、するり、と和希の腕の中からすり抜けて。
「坂上店長は、『過去』だとは思っていないと思う。カズキくんと、なんとかつながっていようと思ったんだと思う。そこに『彼女候補』を紹介するなんて、デリカシーに欠けてると思うよ」
「でも、彼女の方から、離れて行ったんだよ。会おう、って言っても会ってくれなくて、会っても、哀しそうな顔ばかりして、そうしているうちに彼女が新しい男を作った。それが2年ちょっと前。それから、音沙汰なかったのに、どうして」
「もしかして、だけど、彼とうまくいっていないんじゃないかな?」
「それで、僕とやりなおしたい、っていうのは自分勝手すぎないか?」
和希の言うことには、一理ある。でも、あの坂上店長の涙は、純粋なものだと思う。
「やりなおしたい、っていうんじゃないと思うよ。見つめていたい、どんな形でも、関係していたい、って切ない女心だと思う」
「もしそうなら・・・美穂は、僕とつきあうのをやめるのか?店長に遠慮して?」
美穂は、自分の心に聞いてみた。自分はどうしたい?和希のことをどう思ってる?
「私は、そんなの嫌。カズキくんが好き」
ふわり・・・やわらかく美穂は和希に抱きついた。和希は、美穂の気持ちを受け止めてぎゅっときつく抱きしめた。
「2人の気持ちが一番大切だよ」
「カズキくん・・・」
色んな気持ちがごっちゃになって、涙がひとすじ、美穂の頬を流れた。
「もう、泣かせたりしない」
と和希が言うと、美穂の涙にKissをしてから2人は熱いKissを交わした・・・と思ったら、
「ぐるる~っ」
と和希のお腹の虫が鳴いた。
「あはは・・・ロマンチックじゃないなぁ、もうっ!ご飯、食べに行こうか?」
美穂は笑いが止まらなかった。あぁ、よかった。安堵の笑いも入っていたと思う。
「そうだな。駅前の居酒屋でいい?」
「うん」
ストップがかかってよかった。いくら何でも早すぎるよな?奥にあるベッドを横目でちらっと見て和希はこっそり思ったのだった。