俺の彼女
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「…わぎ…柏木!」
え、何?!
急に自分の名前を呼ばれてガバッと顔を上げた。
視線を黒板に向けると数学の先生が私の顔を見てる、いや睨んでるの方が正しいかも…。
これはまさか…
「聞いてなかっただろ。この問題解いてみろ。」
あぁ、やっぱり。
状況を完璧に理解できたわけじゃなかったけど、何となくそんな気がしてた。
私は昼、祐奈に言葉が頭から離れなくて悶々と考えているうちにすっかり夢の世界へ入っていたらしい。
でも予想してたからといって決して問題が解けたわけじゃない。
むしろ、数学は苦手だから
全く分からない。