成り行きで結婚しましたが、わりと幸せです。
「綾香、久しぶりだな。こっちに来て飲め」

連れがいるからダメだと言えば、ひと目顔を見ると乱入しようとする。

「しげさん、辞めてください。ダメですよ。」
腕を掴んてカウンターに引きずる。

「どうした?」

なかなか戻らない私にやきもきしたのか、私としげさんのやり取りが聞こえたのか鹿瀬さんが、座敷から顔を出す。
私から、しげさんに目を向け、目を大きく見開き、驚いたように声を上げる。

「・・・会長」
「ちっ、貴様か」

嫌なやつに会ったというよりも面倒くさそうにそうつぶやく。
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