雨の滴と恋の雫とエトセトラ
 偶然というものはいつも突発的に起こるから偶然であり、予期せぬことが起こってもおかしくない。

 考えたら考えるほど、なんだかわからなくなってくる。

 瑛太が絡んでくるからややこしくなっているだけで、もし、状況を俯瞰して客観的に見たら本当はとてもシンプルな出来事なのだろう。

 この先、一体瑛太はどのように係わってくるのだろうか。

 邪魔をしてやると捨て台詞のように言われたが、こうなったら別に邪魔をされてもいいと思えてきた。

 私は何も恐れるものはないし、挑んでくるなら受けて立つ。

 大人しく我慢しているだけの私ではないことをわからせてやろう。

 そう思うと、急に力が漲って、今日も一日がんばってやろうと意欲が湧いてきた。

 なんだか瑛太のお陰で、負けてなるものかと勉強が捗りそうだった。

 これも瑛太が英検二級の対策本を買っていたことも少なからず影響して、私の闘志に火をつけたかもしれない。

 こんな風に思ってたら、瑛太のやつ、今頃くしゃみでもしているんじゃないだろうか。

 そうあればいいと思うと、自分の中で悪意的な何かが弾けるようだった。

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