俺はお前しか好きになれない。
笑顔を浮かべている咲夜は一応私の彼氏で、私の隣で笑ってる彼は私の彼氏だ。

そういう笑顔が女の子を期待させてるってわからないのだろうか。それともわかってて意図的にやっているのだろうか。



私には全然笑顔を向けないのに。いつもいつも他の子には優しい笑顔を浮かべて、そしてその笑顔が女の子を虜にする。




「今年もたくさんもらえそうじゃん」
「まあな」

「私はあげないからね!!!!」
「お前のなんていらねえし?お前から受け取るほど困ってねえよ」

「あーそう」



冷たい……!冷たい……!あまりにも冷酷で私は何も言い返せなくなる。素直じゃない私も悪いけれど、こんなこと言われてしまったらメンタルもボロボロだ。

今日は珍しく一緒に帰っているのに、咲夜はスマホを見ているし、私は話すこともないからドボドボ歩くだけだ。一緒にいるのに沈黙が流れることなんて日常茶飯事だった。
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