俺はお前しか好きになれない。
何気なく触れたのか、それともほかの女の子にも同じことをしているから慣れているのか。

素直に聞けばいいじゃんって私も思うけれど、簡単に聞けたら苦労していない。



私に作れるのだろうか。興味無い素振りを見せながらも材料を買って、作ろうとしていた。




ふと、脳裏をよぎったのは、去年の咲夜だった。

たくさんのチョコレートを両腕に抱えていた。その周りには今日のように可愛らしい女の子がいて、同性の私から見ても可愛くて、一瞬で落ちてしまうほどだった。


その頃私たちは付き合っていなかったから「人気だなあ」くらいにしか思っていなかった。



明日もあんな感じなのかなあと思うと自然とため息が洩れた。一応作ってみようと思ったけれど、この考えは甘かったことに気づく。

出来上がった自分のチョコレートをみて唖然としてしまった。
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