俺はお前しか好きになれない。
色も不味そうだし、形は不格好だし、パンフレットに載っているチョコレートと全然違った。作った私が見ても食べ物に見えないほどかもしれない。


やっぱり不器用な私は、みんなが作るようなハート型のかわいくて美味しそうなチョコレートは作れなかった。きっと咲夜は明日、かわいくて素直な女の子たちから形の良いチョコレートをたくさんもらうのだろう。




ベットに寝転がって足をバタバタさせる。ああ、もらわないで、って言えばよかった、と思っても覆水盆に返らずだ。

すべてが遅い、ぜんぶぜんぶ遅い。




最近考える。

私たちはどうして付き合ってるのだろう。私は約半年前、咲夜に告白というものをされた。人生初の告白がまさか人気者の彼だとは思わなかった。

私は恋愛なんて興味もなかったけれど、悪い気はしなかったからなんとく付き合い始めた。そのときは本当に"なんとなく"だった。
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