俺はお前しか好きになれない。
「朱音はほんとに作らなかったの〜?」
「う、うん…………」

「たしかに朱音って作らなそうだよね!!クールっていうかさ〜!」
「そう?」

「うん!」




友達は何気なく言ったのかもしれないけれど、少し胸がチクリとした。

私は素直になるタイプでも、オシャレするタイプでも、チョコレートを渡すタイプでもない。だけど、これは理由をつけて逃げているだけだと、自分が一番よくわかっていた。

私がぼーっとしているうちに先生がはいってきて、ホームルームがはじまる。そしてあっという間に放課後を迎えるのだろう。
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