嘘の仮面
「…どうかした?」
「……いや、」
「…ふーん?」
言い淀む瑠衣に、察してしまう。
少し前から俺たちのことをチラチラと盗み見る存在がいること。
たぶんそのことを言おうとしたのかな?
まぁ…たぶん言っても何も起こらないと思うから言ってもいい気がする。
「ねぇねぇ瑠衣」
「…なんだ?」
「ほんとは気づいてるでしょ?」
「……あいつらのことか?」
「うん。害はなさそうな感じはするけど…どう見る、希光の総長さん」
目線だけで俺たちを見ている奴らをチラ見した瑠衣。
やっぱり気づいてた。
あと、俺が言った瞬間に目に驚きが映ったこと、俺は見逃してないよ。
瑠衣たちと一緒につるんではいるけれど俺は希光のメンバーでも何でもないから、俺に判断は下せない。
彼を試すように役職で名を呼んだ。
ま、俺は騒ぎが起こる前に問答無用でとっとと帰っちゃうけどね。