嘘の仮面



指定された席はさっきも言っていた通り、窓際の一番後ろ。

俺の机の周りはぽっかり空いていた。



タイミングがすごいね、ここの三人休みなんて。



席に座ったところで担任が手を叩いて騒がしいままの生徒を静めた。




「如月の紹介も終わったところで、今日のHR始めるぞ」


静かになったものの未だチラチラこちらの方を覗き見るいくつかの目に、笑ってあげる。

そして


「話聞こうね」


と笑みと一緒に口パクで言えばパンダは小さく鳴いて前を向く。




よかった、これで一瞬仮面を外せる。




窓の外を見て、笑みを消した。




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