嘘の仮面
*
「違う違う、もうちょっと右だって!」
「いやもうちょっと奥だろ」
「…ちょっと、集中させてよ…」
俺たちがショッピングモールに来て真っ先に向かったところは、ゲームセンター。
ユーフォーキャッチャーで俺のお気に入りのストラップを見つけたから取ろうと思ったのに、ガヤ多くて全然集中できない。
まじでうるさい。黙ってほしい。
「だから! もうちょっと右…違う、もうちょっと左!」
「奥だって、もうちょっと」
「……ねえ」
ちょっと黙ってくれる?
あまりにもうるさくてキレてしまった。
全然集中できないから、あまりにもうるさいから。(二回目)
思わずガチモードで言ってしまった。
俺の声を聞いて、二人はヒュッと縮こまって黙り込む。
うん、これで静かになって集中できる。
俺が集中して操作をしてるとき、後ろで。
…誠、キレたら怖いね……。
怖かったな…あれはなかなか…
…お前らが騒ぐからだろ。
こんな会話がされていた。
…ま、ひそひそ話していたとしても、人一倍耳がいいらしいから丸聞こえだったんだけどね。
あえて何も触れなかった。