嘘の仮面



ゲームセンターではしゃいだ後、俺たちはショッピングモールの中をぶらぶらと目的もなく冷やかしていった。


広い空間だけど、仕事終わりや学校終わりの学生が溢れたこの時間帯はやっぱり人とすれ違う頻度が高くなる。

その度にすれ違った香水臭い女はきゃあきゃあと騒ぎ、普通の男の人でもこちらをガン見する。

やっぱりこいつらといると一人の時より視線が集まる。


こちとら普通に買い物してんだ、見世物じゃないんですよ。


顔がいいと色々便利なことが多いけど、やっぱりその分デメリットもあるわけで。

まあその一つがこれだから顔がいいことを利用するには我慢するしかないんだけど。


…はぁ、この顔に感謝はしてるけど、この顔に生まれたことを恨みたいよ。


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