一億円の契約妻は冷徹御曹司の愛を知る
そう言われてみると、男女の差こそあれどふたりとも体型のバランスが似ているし、清香さん似の整った顔立ちをしている。
「ということは、雅臣……さんの、ご兄妹ですか」
「あなたが雅兄のお相手なの?」
身長が百七十センチはありそうな彼女から、まっすぐ見下ろされた。文字通り頭のてっぺんからつま先まで品定めをするようにじろじろ見られて、心臓が忙しない。
雅臣のご両親チェックは拍子抜けするくらい簡単にクリアできたけれど、もしかすると本当に大変なのは妹チェックのほうかもしれない。
ここで『ノー』と判断されて縁談がダメになったら、絵を手に入れられなくなってしまう。
背中を冷たい汗が一筋流れ落ちた。
引き攣りそうになる頬を懸命に持ち上げて、注がれる視線になんとか耐える。
大丈夫、だよね?