最後の言葉
友達
ハルナは十九歳。
声楽を学ぶ歌手の卵です。
けれど、お嬢様ではありません。
アルバイトをしながら、家賃の安いアパートで暮らす頑張り屋さん。
ハルナは二人の住人と、仲良く助け合って暮していました。
お隣さんのアリサ、そして下の階に住んでいる、売れないモノマネ芸人のカズオです。
アリサはハルナと同い年で、プロのカメラマンを目指すボーイッシュで勝気な女の子。
カズオは、自分にしか出来ない最高のモノマネを、いつの日にか完成したいという夢を抱いていました。
ハルナとアリサに、新ネタを見せる度にその夢を語るのです。
アリサはうんざり顔、でもハルナは瞳を輝かせて聞いていました。