最後の言葉
一芸
あの日、カズオが出かけて行く時、アリサが気付いたカズオの左手にはボイスレコーダーが握られていました。
シュンに会ったカズオは、ハルナの実兄だと偽って、シュンの部屋に上がり込みました。
けれどもそれは、責めるためでも、説得するためでもありませんでした。
カズオは、シュンがハルナのことをどう呼んでいたかを尋ねると、後はハルナとの思い出話を語らせて、一時間程で退散してゆきました。
シュンは呆気に取られたに違いありません。