最後の言葉
アリサがこんもりとしたベッドを見つめていると、ハルナが口を開きます。
「愛してる…いいえ、愛してたと言って欲しいの」
「えっ?」
「彼がもう、わたしを愛してないのは分ってる…でも、でもね…」
アリサは黙って聞きました。
「その言葉を聞かないと…今までのわたしと彼の時間は…なんだったの…」
「ハルナ…」
「謝って欲しいわけじゃない…ただ、彼の口からその言葉を聞けたら…また一歩から、始められる気がするんだ…」
アリサはハルナに哀れみを感じました。