最後の言葉
決意
カズオはモノマネでは売れなくて、営業の前座や司会でなんとか食い繋いでいる、ベテランでも若手でもない中堅芸人です。
ハルナが弱りだしてすぐに、遠方の営業が立て続けに入ってしまっのでアパートには帰れませんでした。
そしてやっと営業を終えたカズオは、アパートに飛んで帰りました。
帰って来ると、カズオの部屋の前にアリサがいました。
「カズにィ…今日、帰るって言ってたから…待ってた…」
アリサは不安気な顔をしています。
「ごめんなアリサ…今日から俺も、出来ることするから…」
「カズにィ…あたし、もうどうしていいか…」
カズオの顔が曇ります。
「相変わらず…何も食べないのか?」
「うん…救急車を呼ぼうか迷ったんだよ」
「そんなに…」
カズオは部屋に入らず、ハルナの部屋に向って駆け出しました。