校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
女の子の間で会議が始まる。
ルール的に、男と女の子、交互に走らなきゃなんなくて。
アンカーが俺だったら必然的にトップバッターは女の子。
それで僕の予想が当たったら、トップバッターは断れない、あの子。


「じゃあ最初、姫莉ちゃん、よろしくね」
「うん」


ほら、ね?
そーなるだろーなって、思ってた。
謙虚を知らない女の子たちだなぁって。


リレーの練習は何の滞りもなく進み、芦名ちゃんは本当に速かったし、他の子たちも速かったし、そりゃあガチってくれって言われるわー、って思った。


……。


「でさ。姫莉ちゃん」
「ん?」
「一緒に帰んない?」


練習終わり、しれっと姫莉ちゃんと名前を呼び替えて、帰りのお誘い。


「えっと…私電車で8駅とかだよ?」
「俺も5駅離れてるんだ〜」


そっか〜、と姫莉ちゃんは笑ってくれた。
ローファーがパタパタと歩き始める。
どうやらついていっていいみたい。


よし、一歩前進!



「姫莉ちゃんは身長何センチ?」
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