校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
姫莉ちゃんは、残念そうに左腕の腕時計を見つめる。
コロコロ表情変わって、忙しい子だな〜…。


「駅の近くのカフェ寄る?」
「んー…お金ないんだよね、夜ご飯も、食べれなくなっちゃいそうだし」


…いや、二つ目の理由が可愛い。
異様に可愛い。


それにしても、頑なだなぁ。
俺こんなにフラれたことないよ。
もー、手強い。
そっちの方が燃えるんだけど、ね?


「じゃ、もう一本待とっか、あと20分くらい?」


田舎の駅のホームで2人、気温の上がってきた5月。
ちょっと蒸し暑いのと、さっきしてた練習でかいた汗がペタペタするのと。


姫莉ちゃんは涼しい顔をして、三つ編みを気にしてるみたいで。
あー…解いてみたい。


「姫莉ちゃん、どーして毎日三つ編みなの?」
「へ?えーっと、長いからまとめてるんだけど…あんまり縛ったりしちゃったら、部分的にハゲたりしないかな〜…って……」
「ぶっ…」


吹き出してしまった。
いや、今のは反則でしょ。
面白すぎるじゃん。


「わ、笑うこと、ないと、思うんだけど…。
だって、ハゲちゃうの嫌でしょ?恥ずかしいもん…」
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