校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
なんだか可愛いことをぶつぶつ呟いてるけど。
…いや、めっちゃ、ツンデレにしか聞こえないよ?
可愛すぎて困っちゃうよ?
俺が本気になっちゃったらどうすんの。
いや、これでも一応、いつも本気なんだけどね、ほんとだよ?


ホームに電車が入ってくる。
俺たちの乗るやつ。
姫莉ちゃんはなんも考えてなさそうにスタスタと乗り込んで、ストっと腰を下ろす。
ちょっと混んでて、隣に座った俺は必然的に太腿が触れる。
…女の子って感じだなぁ、柔らか。


ガタゴトと揺れる電車。
姫莉ちゃんはコクッ、コクッ…と頭を揺らし始めた。
挙げ句、反対側の女の子の方に倒れていく。


あーあ、ダメだな姫莉ちゃん。
眠そう。


俺は姫莉ちゃんの頭を支えて自分の方に倒した。
揺らさない方がいいよね、大人しくしてよ。


…なんで言ってる間に俺の最寄りについちゃったんだけど。
え、どうしよう。寝顔可愛いから起こしたくないし。
だけど俺の家は通り過ぎちゃう。


…まっ、いっか。いつものことだ。日常茶飯事。
気持ちよさそうに寝てる姫莉ちゃんの寝顔を見つめる。
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