校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
俺にとって、体育祭の結果なんてどーでもよくて。
うちのクラスを優勝に導いた最後のリレーは、ただただ、女の子に……姫莉ちゃんにかっこいいって思って欲しかっただけだった。
クラスの打ち上げは断った。
ナナちゃんはずーっと食い下がってきたけど、そーゆー、俺に執着する女の子はめんどくさいから嫌いだった。


……姫莉ちゃんは、俺に執着しないから。
きっと、後腐れなんてないんだ。
だから俺と同じように打ち上げを断った姫莉ちゃんと2人で帰って。
でも今日は、俺は自分の最寄りで降りた。


女の子たちから来ていた32件の連絡は全部無視、何度も連絡してくる子は即ブロックした。


「おかえり〜」


家で料理をしていた兄貴の奥さんの声も、無視。
絡んできた甥っ子も、軽くあしらって俺は部屋に入った。


パタリと、ベットに沈む。
まだ制服、汗と砂だらけ。
汚い、いつもなら絶対しない。


……けど。


死にたくなるくらい、何だか辛い。
フラれること、なかったわけじゃないのに…何でこんな辛くなってんだろ。
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