校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
───…なんで?


「……」
「…ひ、姫莉ちゃん…?」


控室。
メイド服、明らかにバイト終わりの姫莉ちゃん。
ツインテールのくるくる巻かれた髪。
可愛らしいお化粧と、細い脚。


「…えっ、と…」


俺の前で目を泳がせる。
どーゆー状況だろ。


地味で真面目で、特待生学費免除の彼女が、こんなとこでバイト…?
あれ、あれあれ、これってバレたら…?


「…バイト、してんの?」
「けっこう、前から…」


姫莉ちゃんはあはは…と渇いた笑いを零して、俺のことを上目遣いに見つめる。


「うち、お金なくてさ。バイトしなきゃやっていけないんだよね。
弟も今年受験だし…」


姫莉ちゃんは、ふわっふわのカチューシャを外して控えめに俺のことを見る。


「黙ってて、もらえませんか…?」
「あー…」


しゅんって、そんな顔しないで?
それでも可愛いけどさ…?


……でもさ、こんなチャンス、利用しない男なんていないよね。
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