校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
「…っ、ゆみくん」


向こうが俺に気づく。


「…誰あいつ」


それはこっちのセリフだっての。
誰お前。
姫莉ちゃんとの距離、近くない?


「何?
あいつも誰かわかんない貢がせてる男のうちの1人?」


は?貢がせてももらえてないんだけど、なにこれ。
なに見せられてんの?俺。


「違うから…っ、ゆみくんは、」
「彼氏だけど何?文句あるかな?」


弁解しようとする姫莉ちゃんの言葉を遮って、荒々しく投げ放った言葉。
俺はゆっくり、2人に近づいた。


「は?彼氏?こないだフったって」
「あれとは違う人だし、1回フったけど結局付き合うことになったのっ」


脅されてだけど、とボソッとつぶやいた姫莉ちゃんに反応した男。
俺のことを睨みつける。


「姉貴のこと、脅さないでくれる?」


…姉貴って事は、姫莉ちゃんの弟って事だよね。


ふーん、お姉ちゃんのことが大好きなシスコン弟ってとこか〜…。


「バイトしてるお姉ちゃんが悪いんだよ?」


ピリピリと一触即発の雰囲気。
姫莉ちゃんははぁっとため息をついて、俺たちの間を抜けようとする。
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