校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
…は?逃すわけないじゃん。


パシッと腕を掴んで、姫莉ちゃんの動きを止める。


「どこ行くの?」
「…忙しいから、離して?」
「俺、聞きたいことあるんだけど」


にっこり笑うと、姫莉ちゃんはピキピキと表情を固める。
ぷっくりした唇は、きゅっと引き締まって、ぐっと噛み締めている。


なんで聞けばいいんだろう。
ストレート以外に、オブラートに包んで、なんて俺はそんな器用なことして来なかったから。


「…なーに、貢がせてるって。姫莉ちゃん、そんなタイプの子だっけ?」


当たり前みたいにストレートに言い放ってしまう。
姫莉ちゃんは少し無言になった後、俺をじっと見つめて、呟く。


「今日、空いてる?」
「…空いてるけど」
「うち、おいで」


は?と、姫莉ちゃんの後ろから弟の声。
ガン無視して、姫莉ちゃんは歩き出した、買い物を続けるらしい。


……何これ、家に行く流れなんだよね?


俺は花ちゃんに『ごめん、今日帰るの遅くなっちゃう』とメッセージを送ると、スマホをポケットにしまって、卵をコーナーに戻すと、姫莉ちゃんの後ろをついて歩いた。
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