校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
淡々と、そう告げられた。
いつもみたいに語尾の柔らかい微笑みはない。


「中学の頃はフツーにゆみくんみたいなこと、してたし。
可愛いって言われるくらい日常茶飯事で今更テレたりしないし。
ウケがいいから天然とか、純粋とかしてるだけで、全部けーさん、してるよ」


語尾のあざとさは残ってない。
ほんと、らしい。


喉が開かない。
予想外の展開についていかない頭と、姫莉ちゃんに向かったまま外せない目線と。


よくわからない、ぐちゃぐちゃした感情。


「……あのさ、やめとこうよ。こーゆーの。
私、ゆみくんの新境地にはなれないし。
それに、ガチで付き合うって言っても、めちゃくちゃ重いから、私。絶対、鬱陶しい、って思うようになるから。
だから、別れるなら、今───」



「わかんないでしょ?」
「…へ?」


姫莉ちゃんの言葉を遮った。
自分でもなんでかはわかんない。
ただ、このままじゃ、絶対後悔するって理解した、それだけ。
何も考えてないのに、舌は饒舌だった。
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