校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
『ゆみくんさ』
「ん?」
『今までの彼女と、なにしたことあるの?』
「へ…?」
『いや、そーゆーことは絶対してるのわかってるんだけど…電話とか、手繋いだりとか、そーゆー些細なこと』


姫莉ちゃんは電話越し、なんか恥ずかしそう。
可愛い…可愛すぎ困る。


「手繋いだことはないよ、電話もない。
デートとかもほとんどないし、あ、脅したこともないよ?」
『……なんか最後のは嬉しくないよ?』


水の止まる音。
ガサゴソとスリッパの擦れる音。


お風呂に向かい始めたみたい。


…可愛い、どうしよう、うちの子可愛い。
え、彼氏なんだよ?
俺、姫莉ちゃんの彼氏なんだ。
すごくない?すごいよね、彼氏〜。


布の擦れる音、カタカタと響く物音。


……あー、変な気起こしちゃいそう。
やだやだ、まだ変態だとは思われたくはないから。
……今更だけど。


数十分後、一通りのことを終えたのか、電話の向こうでちゃぽんと、湯船につかる音が聞こえた。


『ゆみくん』
「ん?」
『さっき、電話の履歴見るの忘れた』


早速だね。
うん…なんか付き合ってるって感じしてイイかもね。
わりと好きだよ。
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