校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
ずっと激おこ。授業中の先生も一瞬当てるの躊躇うくらいだよ?
ほんとに、怒ってる。



駅のホーム、姫莉ちゃんは何も言わずに佇む。


「姫莉ちゃ、」
「ゆみくんはさ」
「……」
「結局、そーゆー子なの?」


同じ学校の生徒がたくさんいるホーム。
あくまでもいい顔、していたいはずの姫莉ちゃん。
……いや、俺としてはあんまりしていて欲しくはないんだけど。


「彼女がいてもナンパしちゃうような、そんな子だったの?」
「ちがっ」
「でもそういうことでしょ?
私のことより、あの女の方が良かったってことでしょ?いいよ別に、正直に言ってくれて。
なんか……うん、我慢するから好きにしていいよ」


姫莉ちゃんは俺の方なんか向かないでじっと下を向いていた。


「違う、違くて」
「もういいよ。…我慢するから、別れるとか、言わないでね」


姫莉ちゃんはそう言うと俺を見つめた。
目尻いっぱいに溜まった涙が溢れる。
ポタポタと止めどなく流れるそれは、ホームに黒くしみを作って。
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