校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
姫莉ちゃんはじーっと、部屋の隅にある本棚を見ながら呟く。


姫莉ちゃんは学年で1番頭がいい特待枠。
そりゃ、当たり前だけど勉強は怠れないわけで。


「目の下のメイクが最近濃いのはそのせい?」
「うーん、最近透李が寝付けないみたいでね。いろいろずれ込んじゃってわりと寝てないかも」


姫莉ちゃんは、タイミングよくあくびを放つ。
目尻に涙をためて、俺を見つめた。


「ゆみくんは、本読んだりするの?」
「基本漫画かなぁ……」


と、俺も本棚を振り返る。


…………ん?


「あっ」


俺は慌てて本棚の前に行って、隠し損ねたそれを全部奥側に押し込む。


「ゆりゆりだったね」
「うっ…なんで一瞬見ただけでそーゆーのわかっちゃうの?」


実は、姫男子だったりする。


女の子とかにいうとわりとひかれたりするから、黙ってたんだけど……。
3秒でバレた。


「私も侑李に借りて読むんだよね。
侑李のかわりに買いに行ったことあるし、侑李の誕生日は毎年ゆりゆり」
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