校内一モテる地味子ちゃんの裏の顔
確実に最後のじゃん。


「今度からモーニングコールしようか」
「えっだめ。声がゴミだから」


真顔でそういうあや。


篠田彩香(しのだあやか)。


付き合い始めて10ヶ月経った俺の彼女。
俺の新記録。


身長は平均くらい。顔もそこそこ…いや、普通にいいか。
頭はいいけど運動は心配になるくらいできない。
走ったらこけるし、歩いてても躓くし、バレーボールは顔面に受けるし、バスケしたら突き指するし。
テニスラケット振ったら、勢い余って自分の膝殴ったって聞いた時は、本気で心配した。



出会いはなんてことない。
中学の時の予備校が同じだっただけ。
まぁ、鈍臭いからさ、帰ろうとしてた俺が廊下歩いてたら、教材を大量に持ったあやが元からそうなるつもりだったみたいに滑らかに転けて、教材ぶちまけて。
それを拾ったあたりから会うたびに話すようになったって、ただそれだけ。


コクってきたのはあや。
俺はいつものノリでオッケーしたつもりだったんだけど、まぁ気づいたら10ヶ月。
……割と楽しんでしまってる。
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