負け犬の傷に、キス
残りの2人もやっちゃおう!
「よくもやってくれたな!?」
「殺ってやる……!!」
男2人が左右から攻撃をしかけてくる。
何のひねりもないパンチとキック。
単純だから防ぎやすい。
左の男の拳を受け止め、そのまま力強く押し出す。
次いで右の男の足が飛んできた。
軽くいなし、左の男を押し出した方向へ体当たりする。
男2人はひとつの木箱にすっぽり尻が入った。
やった!うまくいった!
大の男が2人座るには、その木箱は小さい。
ドラム缶も木箱もそこから脱出できるのに時間がかかる。
「これもある意味、捕獲完了ってことで」
「おい!」
「出せ!!」
「助けろ!!!」
「すみませんが、少し我慢しててください」
110番にかけ、すぐにその場を離れる。
また面倒ごとに遭遇するのは避けたい。
この間は本当にきつかったもんなぁ……。
警察に追われなくなったとはいえ油断は禁物。
同じ失敗を繰り返したくない!
繁華街の外れまで移動したところで足を休めた。
二次被害はないみたい。
博くんに最後の標的を捕まえたことを知らせる。
「よし。送信、と」
連絡したし、たまり場に行くか。
歩き出した直後
――ドンッ!!
「ぐへ!?」
背中に何かがぶつかった。